第4話



――――


――





朔羅さくら~♪」





桜並木の下をのんびり歩いていると、校舎の方から親友の川上 理子かわかみ りこが手を振りながら走ってきた。



「朔羅おは♪」



「おはよ~リコ」



あたしは満面の笑みで答えた。



「朔羅クラス分け見た?あたしたち一緒だよぉ」



リコが嬉しそうに飛び跳ねて、あたしに抱きついてきた。



「ホント?うれし~」



さっきの勢いはどこへやら。あたしはあの勢いをしまいこんでいつもの笑顔で答えた。





あたしの本性を知ってる人間はごく僅か。




たとえ親友だろうと






知られちゃなれねぇ。





「朔羅おはよ~♪俺たち同じクラスだよ」



リコに乗じて、あたしに抱きついてきたのは、



去年も同じクラスの一ノ瀬 千里いちのせ せんり♂だった。






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