第81話

学校から少し歩いた所にある繁華街のカラオケボックスまで皆で歩いていき、部屋に入ると奥からコウ、将暉、私、榛野、ヒカリという順番で席に着いた。


コウが早速何やら曲を選んで入れる。




彼が入れたのはマイケルジャクソンのスリラーだった。



「なんでマイケル?」



カラオケにきていきなりマイケルジャクソンを入れる高校生も稀だろう。



「なんでって、追悼の意を込めてさ」


「追悼?」


「え、えりぃ知らないの?マイケルジャクソン死んじゃったんだよ」




隣でリモコンをいじっていた将暉は驚いたような顔で私を見た。



「それは知ってるけど、随分前だし」


「随分って一週間前じゃん。っていうかこの間学校でその話してたじゃん、絵里」



榛野まで疑わしげな表情を浮かべている。

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