第77話

「初めまして、コウです」



短髪の黒髪、左耳には小さなピアスがキラリと1つ光っている。



「・・・初めまして」



私は久しぶりに再会するコウに戸惑いがちに会釈をした。



「ねえ絵里、私たちにも紹介してよ!」



榛野は私の肩を叩きながら催促をする。



「あ、うん・・・彼が将暉。で、こっちがコウ君」



私は無意識のうちに榛野にだけ向かって彼らを紹介していた。



「初めまして榛野です。将暉君って本当に絵里の彼氏なんだよね?」



榛野は大きく目を見開いて将暉の顔を覗き込んだ。



「そうだよ、よろしく」


「絵里よかったね!かっこいい彼氏じゃん」



榛野が私の肩をバシバシ叩きながら喜んでいるその後ろで、ヒカリは黙ったまま俯いている。

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