第78話

「ねえ、その子は?」



そんなヒカリを指差し、尋ねてきたのは将暉だった。



「え、・・・ああヒカリ」



ヒカリは顔をあげ、将暉を見つめる。



「ヒカリちゃんか、俺将暉です。よろしくね」



将暉はそう言って無邪気にヒカリに笑いかける。



「・・・よろしく」



ヒカリは丁寧にお辞儀をして、それからもう一度将暉を見つめた。


嫌な予感がした。


予感ではない。


事実としてこのままでは将暉がヒカリを好きになる未来が訪れるのだ。



けれどもそれがわかっている以上、よく考えれば私がすべき事は決まっている。


将暉にとってヒカリ以上に私を必要と思ってもらえるようにすればいいのだ。




それに今は将暉の彼女は私であり、ヒカリではない。


きっと出来る事は沢山あるに違いなかった。

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