第75話

とりあえず教室を出ると、靴を履き替え、3人で横並びになって校門を出る。


するとその先で見覚えのある顔に気付いて私は思わず目を見張った。



将暉だった。



将暉は1人の男友達と共に校門の前のガードレールに腰掛けており、男友達が将暉の新しい携帯を物珍しげに何やら覗き込んでいる。



「何、知り合い?」



私の様子をみて榛野が言った。



「あ、うん。将暉」


「え、将暉って、この間言ってた彼氏?」



将暉と付き合いだした日、私は榛野に電話してその喜びを爆発させていたのを思い出した。



「うん」


「まじ!紹介してよ!」



そう言うと私より先に榛野は将暉達の下へ駆けていった。




その足音に気づいたのか、将暉は顔をあげると私に気付いて手を振ってくる。


しかし私はヒカリの事の方が気になっていた。

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