第70話
5【もう一度、君に恋をする】
翌日の私は1枚の写真を手に持って例の交差点に立っていた。
この写真は付き合ってからすぐの頃、彼の新しいiPhoneで撮った写真だ。
それを後でわざわざ写真屋さんで焼いてもらったのだ。
写真の裏には2009年7月2日と昔私がマジックで書いた日付が記されていた。
7月2日というと、昨日行った過去のほんの少し後だと言う事になる。
その写真に写っているのは私と将暉だけではない。
どこかのカラオケボックスのような所で榛野や、彼の親友である“コウ”、そして同じクラスで榛野と共に友達だった“ヒカリ”も写っている。
この日どうしてこの5人で集まっているのかはよく覚えていないけれど、私の中で一番気がかりだったのはヒカリの存在だった。
ヒカリに対し、私は6年前から今でも嫌悪感を抱いている。
なぜなら将暉が私に別れを告げ、好きな人が出来たと伝えてきた時、彼があげた相手の名前こそがここに写っているヒカリだったからだ。
要するに将暉と私はこのヒカリの存在によって、“別れ”という結末を迎えることになったのだ。
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