第69話

確かにそれだけでは、その先の長い月日からものを見た時、それは大した変化ではないのかもしれない。




未来を変えるには、もっと何かを大きく変えなければいけないのだろう。


けれど一体何をすればいいのだろうか。


そんな事を考えながらも、一紀からのLINEを開いてみる。





“最後に1つだけ聞きたいんだ。



・・・絵里は本当に俺の事が好きだったの?”



そのメッセージをみて、私は彼に対して何1つかける言葉や言い訳を見つける事が出来なかった。





きっと一紀は気付いていたのだろう。


私の心の中にずっと潜んでいた将暉の存在に。




この3年間の恋愛で、本当に傷ついていたのはもしかしたら一紀の方だったのかもしれないと、私はそのとき初めて思った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る