第51話
横断歩道を渡りきった、と思った瞬間、急に辺りがざわめき始めた。
慌てて辺りを見回すと、私はなぜだかどこかのカフェのような場所の2人がけテーブルに1人で座っており、目の前には水の入った小さなグラスが2つ置かれていた。
私は昨日とはまた違う状況に戸惑った。
服装に目を落としてみると、昨日と同じく高校時代の制服を着ている。
私は足下に置いてあったサブバッグの中から昨日と同じように携帯電話を取り出して日付を確認する。
“2009年6月30日(火)17時25分”
昨日タイムスリップした時は4月だったはずだから、今度はあれから約2ヶ月後の過去にきた事になる。
とにかくあの交差点がタイムスリップに関係している事はこれで明確になったわけだった。
「お待たせ!」
ふいに近づいてきた気配と声に振り返ると、そこにはトレーに飲み物やパンを乗せて近寄ってくる将暉の姿があった。
「はい、これ」
そういって彼は私の前に見覚えのあるオレンジ色の包みに入れられたクロワッサンとアイスティーを置き、それから自分の前にミルクティーを置いた。
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