第44話
「じゃあ、散歩コース変えたの?」
「あら、忘れちゃったの?絵里ちゃんが昔、そこの十字路は危ないからってそっちをおすすめしてくれたんじゃない」
おばさんはさっきの事ではなく、懐かしい話でもするように目を細めながら私に語りかけた。
「本当に・・・」
「どうしちゃったのよ、お姉ちゃん」
いよいよ不安になってきたのか、麻央は私の腕を揺さぶり私の顔を覗き込んでいる。
動物とはいえ、私は未然に事故を防ぎ、ラブを救う事が出来たのだ。
なぜ過去に戻ってしまったのかも、何もかもわからないけれど、とにかく未来が変わった事は間違いのない事実だった。
「どうしたの?」
麻央に連れられリビングに戻ると、母は少し心配そうに私を見た。
「いや、なんでもないんだけど・・・」
「そう?あ、どうだったの、迎賓館。懐かしかったでしょう」
「ああ、そういえば・・・行ったは行ったんだけど・・・」
「え、なによ?」
母は目をパチクリしながら訊いてきた。
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