第35話

「あ、そうです、それです!タイムスリップしてるんです!」


「あー、ごめん。なんていうか、えりぃってさ・・・」



私は何を言われるのかと思わず身構えた。



「天然?」


「え、」


「天然でしょ?面白い子だね!」



そりゃそうだ。


こんな馬鹿げた話信じてもらえるはずもない。



「あー・・・はは。そうですよね・・・すみません」


「あ、そうだ」



そういって彼は先ほどポケットにしまった携帯電話を取り出し、それを開いた。



「あ、やべ。もう電池ないや」



すると彼はちょっと待って、と言いながらと背負っていたボロのサブバッグの中からノートとペンを取り出し膝の上で何やら文字を書き始める。


そして書いた部分を乱暴に破りとると、それを私に向けて差し出した。



受け取り見てみると、それには彼の携帯の番号とメールアドレスが書かれていた。


実際の過去でもこのメモをもらった事はよく覚えている。

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