第34話
「あの・・・信じないと思うんですけど言っても良いですか」
なぜそんな事を口走ったのか、私にもわからない。
気持ちが先走り、早くこの状況を誰かと共有したかったのかもしれない。
「え、どうしたの?」
「・・・実は私未来からやってきて」
言ってから、やっぱり言うべきではなかったと思った。
こんな事出会ったばかりの人に言われたら警戒されても仕方がない。
「どういうこと?」
案の定、彼は顔をしかめて私を見つめた。
しかしここまで言ったのだから後には引けなかった。
「・・・2015年の夏にあなたから手紙が届いたんです」
「え?なんて?」
「お元気ですか?って」
私は彼にどう思われるだろうかとビクビクしながらも話を続けた。
「俺が?」
将暉は首を傾げながら、自分で自分を指差す。
「・・・はい」
「・・・よくわかんないけど、それって2015年からタイムスリップしてるって事?」
“タイムスリップ”という言葉を聞いて、私はようやく今自分の身に起きている現象に名前がついたような気がしてなぜだか妙にスッキリとした気分になった。
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