第23話
信号が青になった。
私はゆっくりと交差点を進みだす。すると交差点の白線がゆらゆらと動き出すように見えた。私は怪訝に眉をひそめながら歩き続ける。
道路を渡りきる直前、一瞬立ちくらみのような感覚があった。
めまいがして目がくらんでくる。
その瞬間の事だった。
今まであったジリジリと突き刺すような暑さがふとなくなったのだ。
そして道路を渡りきった私の前にひらひらと何かが舞い落ちてきた。
それは次から次へと生温い風に乗って私の前に舞い落ちる。
その先を見上げてみると、そこには淡いピンク色の桜の花が咲いていた。
しかし、今は8月。
私は目を疑った。
桜の花びらもそうだけれど、目の前に広がる光景がさっきまでと明らかに違っているのだ。
蝉も鳴いていない。
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