第6話

2話:クソさいてーな女達


あれは二十年前の事でしょうか。

俺に初めて"彼女"と言うものが出来ました。

女の子の方から告白してきて。

高校でも目立たない方だと思っていたもので、告白された時、本当に嬉しかったんです。

大切にしようと思いましたよ。

しかし…ドッキリだったんです。

告白して一週間カレカノとして付き合ったら、ドッキリと気づくかって言う…。

まんまと騙されて結局笑われながら振られてしまいました。

これが一人目です。

二人目は、高校を卒業し、大学生だった頃。

またも、付き合ってください、と告白されたんです。

嬉しかったんですけど、前の告白がぶり返して素直に喜べなくて…

けれど、せっかく好きになってくれたので、付き合って見ることにしました。

彼女は本当に優しくて、料理上手の人でした。

前の彼女との痛みも薄れていきました。

しかし、そんな時だったんです。

「別れてください。」と、言われました。

彼女から告白したのに何故…と。

理由は"他に好きな人ができたから"でした。

お目当ての人がいたらしく、手を繋ぐ姿は幸せそうでしたよ。

やはり、二回目でも辛いですね。

幸せが長いほど、辛くなると経験しました。

三人目は…社会人になって落ち着いてきた頃でした。

新人がやってきたんです。

つまり俺の後輩で。

まだ若くて、ちょっとミスの多い子でしたけど、一つ一つ丁寧にやれば問題はなかったので。

俺は彼女の教育係として色々教えてあげました。

教えるって結構難しいことなんですよね。

ほら、良く人に教えるには三倍の理解が必要だって。

その通りだって思いましたよ。

…あ、話が脱線してすみません。

それでその後輩と仕事終わりに一回飲みに行ったことがあるんです。

その時にお互い酔ってしまって。

フラフラになりながらお互い肩で支えながら帰りました。

そしたら家に彼女がいて。

そりゃもうびっくりしましたよ。

人生一驚きました。

昨日のことは何も覚えていないから何が起こったかも分からないし。

結局、その日はお互い何も追及せずに彼女は帰りました。

問題はその後だったんです。

次の日俺が会社から帰ろうとする時呼び止められまして。

何と告白されたのです。

笑える話でしょう。

理由はあの夜一緒に寝て好きになったと。

怪しいにもほどがあると告白を疑いました。

前の告白はどちらも最悪でしたから。

けど、彼女の真剣な瞳が俺の気持ちを変えました。

彼女がそんな事をするわけないって思ったんです。

だっていつも真面目に取り組んでいますし、先輩後輩関係の仲も悪くなかったと思います。

性格は良い子でしたから。

悩んで結局OKしたのですが、付き合って五日で振られました。

"職場ではかっこよく見えたけど彼氏としては何だか違う" "もう少し反応して欲しかった"

彼女の理想の彼氏とは違ったようです。

堅物なのは元からなので許して欲しかったのですが…恋人関係ともなると駄目だったみたいですね。

そうして。

結局告白されたのに一方的に振られると言う恋愛を繰り返して…俺も丁度三人目の人に振られたばかりなんです。

本当に…とことん恋愛運がついてないです。

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