第2話

序章:恋愛三週目


「…ごめんなさい。」


彼女に振られた。

二年ほど付き合っていた彼女だったのに。

理由は聞かなかった。

どうせ、前々の彼女達と同じ理由だろう。

「"つまらない。"」

初めての彼女も、その次に出来た彼女も、皆振る時は口を揃えて言うのだ。

俺の何がいけなかったんだろう。

そう思う事はいくつもあったけれど、もう半ば諦めていた。

元々、恋愛に不向きだったのだ。

するべきじゃなかった。

"おじさん"と言う部類になりかけている俺に、彼女何てものできちゃいけなかったんだ。

トボトボと一人寂しく歩く。

夜空を見上げた。

とうに深夜を回っており、深い紺に染まっていた。

無意識に呟く。

「…恋愛なんてしない。」

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