第58話
禅夜はまだ驚きを隠せないでいる私の肩をぐいと引き、私はあっけなく禅夜の胸の中。
「環の夢をかなえられるのは俺しかいないよ?
マンション買って、元カレに『幸せよ』をアピール。
でも本当は寂しい。
小さなアパートでもいいから環を必要としてくれる男とずっと一緒に暮らすって。
だからつまらないこと考えるのはやめろよ」
つまらないこと……?
目をまばたいていると禅夜はいつの間に抜き出したのか、私が書いた『辞表』をひらひら。
「ちょっ!何勝手に漁ってんのよ!」
思わず取り返そうとしたけれど、その辞表を禅夜はゴミ箱にぽいっ。
「お金貯めてマンション買うんだろ?
でも隣で支えられる「誰か」が居たらもっと楽になるよ。
俺も環の「支え」を必要としている。
七年間空席だった俺の空席を
埋めてよ」
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