第44話



~♪



『Happy Birthday to you~♪』



「え…誰の誕生日!?」



会場がざわざわとざわめいて、私は思わず口を押さえた。



嘘……



だって知らないはずよ。



あのチケットの日付も、ただの偶然だと思ってたのに…



バースデーソングが終わっても、禅夜はギターをかき鳴らしうまく次の曲へと繋げる。



~♪



『君に出会えて良かった。



君が生まれてきてくれて良かった。





死ぬまで会えなくても僕らは再会する運命。



運命のサークルが僕らを引き寄せ、



短い夜



僕らは必ず再会する。



そう信じて良かった。





僕は君に助けられて、今ここに存在する。



君が翼をくれたから、君の一言が僕を奮い立たせてくれたから。



ようやく言えた。感謝の気持ちを。





たくさんの“ありがとう”を君に。





君がくれたもの、僕は大切にしてるよ。



だから今度は僕が君にあげる番。



必要とされてない、なんて寂しいこと言わないで。



僕が君を必要としている。






僕の胸に。



ここにおいでよ。




ここが君の居場所だ。



僕はいつでも待ってる。






ここが君の“Place”(居場所)だ』




サークル…それは「環」を意味していて、夜は「禅夜」を言い表しているんだ。







禅夜―――




相変わらず……





大胆なんだから。









こんな何千万といる中で堂々と―――




もう




十分だよ。




もう十分、夢を見させてもらった。



こんなにも幸せで愛に溢れている。




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