第38話


私はかくかくしかじか三田とのことを話し聞かせた。



「はぁ!何だそれっ」



禅夜は話を聞き終えたあと、こっちがびっくりするほどいきりたった。



「てか早速浮気かよ!俺が居ながら」



と真剣な顔で睨まれる。



「浮気って……私たち付き合ってないじゃん!」



「え!そーなの!!」



そーなの!?って……何なのこの子。



ちょっとズレてるのはアイドル様だからか?



「てかあんたなんてわざわざ私を選ばなくても、女の子なんて選り取りみどりでしょ?」



「俺は環がいいの。



じゃさ?付き合おうよ」



またも『ちょっとそこのコンビニ付き合って?』ぐらいの気軽さで言われて



私は額を押さえた。



「あんたねー……まだプロ意識が足りないみたいね。



芸能人が気軽に恋愛できると思ってるの?」



私が禅夜の眉間に指をさすと彼はまたも寄り目。



彼は肩をすくめて






「足りてるよ?自分の立場も分かっていながら言ってるの。



言ったろ?



堕ちた、って」





そう言って彼はホテルの名前と部屋のナンバーを書いたメモを指に挟み掲げた。






「ライブが終わったあと来てよ。来てくれたらOKだと思うことにする。



俺は真剣だよ」




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