第37話
「でも環のおかげで今度CM来た。それも二本!五人のライブ裏側密着取材の番組もあるし」
「ホントに!!」
私は目を輝かせて「キャ~♪良かったぁ」思わず飛び上がり、禅夜と手を叩き合った。
これで私の異動は免れた、ってのはもちろんだけど、やっぱりPlaceのみんながそうやって活躍してくれるのは嬉しいことだ。
「取り上げてくれた環のおかげ。
アオイ(リーダー)も感謝してたよ。
てことでぇ、今度のライブ地方のちっさいホールだけど、席おさえた。
環の席」
そう言って彼はコンサートチケットを取り出し、私の目の前でひらひら。
「え?」
「来てよ。アリーナの最前列♪」
マジで……
「来てよ」
強引でない程度に言って彼は頭をぽんぽん。
何よ、そんなストレートに愛想振りまいてるんじゃないわよ。そんなことされたら…
その気になっちゃうじゃない。
私はおずおずとそのチケットを受け取ると、
「もう悲しくない?」
と彼が聞いていた。
「え……?」
「だってさっき泣いてたじゃん?」
「あーうん…ちょっと自分でもバカなことやっちゃったなーって思って。
イヤになる」
何でか知らないけど、私は禅夜の前で何でも素直に心の内を話せる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます