第6話


大きな爆発音とも呼べる音で会場が暗くなり、場内が一気に色めきたった。方々で悲鳴のような歓声が聞こえる。



ホールの中が暗くなり、ファンの子たちが振るペンライトの明かりだけがまるでホタルの光のように美しく左右している。



再び爆音。



一曲目のイントロがはじまり、ステージのあちこちで炎の柱があがった。



びっくりして目をまばたいていると、それはどうやら演出だったらしく派手な演出と共に




「彼ら」が跳び上がるように姿を現した。




「「「「「キャーッ!!!!」」」」」




まるでホールを揺るがすような女の子たちの悲鳴に似た歓声の中、堂々と登場したのは今も輝く日本のトップアイドル。



彼らの活躍をテレビや雑誌で見ない日がないほど、今や売れっ子となった男性五人組の




Placeプレイス」の姿だった。





その瞬間―――



ああ、彼らの輝きは七年前のそれよりも増し、若い彼女たちよりも彼女たちが振るペンライトの光よりも




眩しい。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る