第40話


お陰でとても迷惑したのよ。

会長達からの連絡が煩くて。



「いいじゃん、別に。会長達なら悪用しないでしょ?」



そういう事じゃないわよ。



「せめて一言私に言ってくれても良かったでしょう?」



知らない番号から連絡が来るのは普通に驚くわよ。

しかも何度も。

理紗自信の連絡先なら勝手にすれば良いけど、私のは勝手に漏洩させないで欲しい。



「言ったら反対されるでしょ?」

「当たり前でしょう」



寧ろ反対しないわけ無いでしょう。

学校以外で会長達に煩わされたくないもの。



「でもさぁ、教えておいた方が良くない?同じ生徒会役員なんだから、連絡先無いと困るよ?」



それは確かに一理あるけど……。

だからって勝手に教えるのは駄目でしょう。



「そう思うなら、その事も私に伝えなさい」



勝手に自己判断しないで私に相談しなさいよ。

判断するのは私でしょう?



「まぁ、いいじゃん♪私のお陰で双葉から逃げて来られたんでしょ?」

「貴女のお陰で環とあんまり喋れ無かったわ」



もう少し雑談したかったなぁ。



「……誰、環って?」

「双葉のリーダーさん?」



詳しくは知らないけど。

でも、確実にリーダーだったわよね?



「……また、落として来たの?」

「またって何よ?」



あと落としたわけじゃないわよ。

環とは普通に仲良くなったの。



「はい!!無自覚天然人誑し〜♪」

「……はいはい」



私の何処に人誑しの一面があるのかしら。



「んで、礼奈は今から授業出るの?」

「出るわけ無いでしょう」



ここは確かに学校だけどね!?

私今、完全に私服姿なんですけど!!

薄桃色のワンピース着て授業出れる神経は持ち合わせてないわ。

場違い感半端無いから。

常に居心地最悪なのよ……。

これから教室へ行くような奇行をするわけ無いでしょう。



「ふぅん。礼奈居ないとつまんないんだけど」



それは知らないわ。

体調不良て休むのは仕方の無い事でしょう。



「理紗はクラスに友達いるでしょう?」

「そりゃ、オタク談義に花を咲かせられるから楽しいけど、悪巧みは礼奈としか出来ないし?」



学校は悪巧みする場所じゃないわよ。



「学校は勉強する場所よ?ちゃんと授業に出なさい」

「礼奈、それ特大ブーメラン」

「…会長、私帰ります。荷物持ってくださってありがとうございます」

「…都合悪くなったら無視って………理紗ちゃん泣いちゃうよ?」



鳴き真似をして理紗が私を見てくる。


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