第91話
貸し切りバスで都古たちが学校に到着したのは、まだ放課後に突入する前の割と静かな時間帯。
聞こえてくるのはそれぞれの教室で授業が行われている声や、音楽室からの歌声、グラウンドでは体育の授業でテニスやサッカーをしている声や音など。
近頃は梅雨でずっと雨の日が続いていたので、都古は昨日のうちからてるてる坊主を作って自室に飾っていた。
久しぶりに屋外で体育の授業を楽しむ生徒たちを見て、
(うん。今日は晴れてくれて本当に良かった)
ホクホクとした気持ちと大量のお土産の入った袋を抱えて、風香と二人で校舎の中へ。
他の生徒たちはそれぞれ帰路についたり、部活動のために部室へ向かったり。
都古は、今日は部活動に参加してもしなくてもどちらでも良いと言われているので、他の学年の部員たち向けのお土産を部室に置いて、そのまま帰らせてもらうつもりだ。
そしてあとは、まだ授業を受けている真っ最中の伊吹を待つだけ。
特に居場所もないので、暇をしている風香と共に、自分たちの教室で過ごすことに。
今日のテーマパークやバス車内で撮った写真などを、二人でのんびりと眺めていると、
「都古先輩!」
授業とSHRを終えてすぐにここまで走ってきたのか、息を切らせた伊吹が教室の扉を勢いよく開けて入ってきた。
「……と、南先輩も。おかえりなさい!」
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