第80話

すると、すぐに既読がついて、



『ちょっとと言わず、いっぱい会いたいです! あ、でもお土産は気を遣っていただかなくても……』



そんな謙虚な返事が届いた。



(やっぱり、凄くいい子だなぁ……)



寂しくて凍てつきそうだった都古の心がじんわりと温かくなっていくのを感じた時、



『でももし叶うのなら……都古先輩とお揃いのマスコットとか欲しいです』



(……前言撤回。いろんな意味でなかなかに厚かましい子だわ)



テーマパークのマスコットキーホルダーって、何気に高価。



アルバイトもせずに親からもらえるお小遣いでやりくりしている都古にとって、それを二つ買うのはなかなかにキツい。



というか、それ以前に、



『お揃いは、ちょっと違くない?』



まず最初にツッコむべきポイントがあった。



『なんでですか? 先輩とお揃いがいいです!』



『だって、付き合ってるわけじゃないし』



『友達同士でもお揃いのもの持ったりするでしょう? なんで僕はダメなんですか?』



「うーーーん……」



なんで、と言われると困る。



都古自身も、伊吹とお揃いのものを持つこと自体は別に嫌だとは思っていないのだが……



『じゃあ、ふーちゃんもそのお揃いに誘っていい?』



ここは風香にも道連れになってもらおう。



『……まぁ、僕は別にいいですけど。南先輩は、都古先輩の大事なお友達ですもんね』

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