第71話
「な、なんで朝倉くんの話が出てくるの!?」
確かに兄も、伊吹とは昔からの知り合いではあるが。
「昔っから、都古のこと大好きだったろ。この前、久しぶりに街で会った時も都古への愛を語っていて、なかなかに暑苦しかったぞ」
「なっ……!」
兄と伊吹が鉢合わせていたなんて初耳だし、しかもそんなやり取りをしていたとは夢にも思っていなくて、都古は絶句した。
「相原は良くて伊吹がダメな理由が、俺にはさっぱり分からないが」
「私は年上の人がタイプなの!」
「年下でも、頼りになるヤツはいるだろ」
はぁー、と溜息をつく右京の様子が、“これだからお子様は……”とでも言いたげで、それが都古の頬を更に膨れさせる。
「そもそも、朝倉くんはまだ中学生なのよ? そんな子を、恋愛対象として見られるわけ――」
そこまで言ってから都古は何かに気付き、慌てて両手で口を押さえた。
(俊さんも私のこと、そう思ってたってことよね……?)
では何故、彼はキスと――その先のこともしようとしたのか。
あんなことをされたから、てっきり都古のことを愛してくれているのだと思って嬉しかったのに、そうではなかったのだろうか。
「ねぇ。男の人って、別に好きでもない人とキスとかそれ以外のことも普通に出来るの?」
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