イイ男の定義

第16話

とある晴れた日曜日の朝。



学校が休みな都古は特に予定もないので、いつもよりも朝寝坊をして、遅めの朝食をのんびりと食べていた。



ダイニングテーブルで都古の向かい側に座っているのは、都古の父。



高校教師を生業なりわいとしている彼も、今日は都古と同じく休日で、朝食はとっくに済ませているが、コーヒーを飲みながらのんびりと新聞を読んでいる。



「あーあー。私がお金持ちの家の子だったら、メイドさんがあったかいココアとホットサンドをベッドまで持ってきてくれるのになー」



絶賛反抗期中である都古は、目の前の父に向かって、たっぷりと皮肉を浴びせるが、



「都古は寝起きが悪いから、そんなことをしたら寝ぼけて全部ひっくり返すだろ」



新聞から顔を上げることすらせずに、父が冷静なツッコミを返してきた。



「ベッドの上だと、その食べ方も難しいぞ」



更に追い討ちをかけるようにして父が指を差したのは、都古がコーンスープに浸しながら食べているトースト。



手でちぎってはスープに浸して食べているので、テーブルの上には少しだけだがパンくずが散らばっている。



「あと、その食べ方は行儀悪いぞ」



「うるさいわね。私のやることいちいち見ないでよ」

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