第15話
「ていうか、朝倉くんのことは別にいいのよ。私が聞いて欲しいのは、俊さんの話!」
都古がまたムスッとむくれ、
「あー、会えなくて辛いって話?」
「異性として見てもらえないのが辛いって話!」
「……」
えっ、それアンタが言う? と風香は思ったが、結局は何も言わなかった。
(まぁ……頑張れ、少年。こういうのは根気が大事だから)
妙に自信と色気に溢れたあの男子中学生には応援なんて不要なのかもしれないが。
他人の恋愛を傍観するのが趣味な風香には、彼らの関係がこれからどう変わっていくのかがとても楽しみで。
けれど、やはり親友の恋は叶って欲しいとも思うので、都古と俊のことを応援したい気持ちももちろんある。
(うーん……皆、頑張れ)
未だに頬を膨らませたままの都古の横顔を見つつ、うるさく鳴り始めた予鈴の音をぼんやりと聞きながら、風香はそんなことを思うのであった。
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