第4話
都古だって、もちろん兄のことを恋愛対象として見たことなど一度もない。
大好きなのは事実だが、好きの種類が違うのだ。
だが、都古の兄・
そんなお高くとまるような発言が多いせいか、
「出た。美男美女兄妹アピール」
「高二にもなってブラコンとか引くわねー」
そんな陰口を聞こえるように言われることもしばしば。
(中学に上がるまでは、結構上手くやれてたんだけどなぁ)
元々、明るく誰とでも分け隔てなく話せる都古は、小学校を卒業するまでは常に周りに友達がいるような、クラスの中心的な存在だった。
それが中学校へと入学した途端に、男子生徒から告白される機会が増え、それが都古の友達の好きな人だった……なんてこともあったりして、“色目を使って横取りされた”などと敵視されるようになった。
高校生になった今では、交際を申し込んでくる男子は近付いて来ても、都古と仲良くしようなどと思う女友達はほとんどいなくなってしまった。
都古自身も、もう他の女子たちを傷付けないようにと、男子とは距離を置くようにしているので、今となってはほとんど一人ぼっちだ。
「俺、絶対諦めないから!」
校舎に向かって先を急ぐ都古の背中に、先程の彼はそんな言葉を投げかける。
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