第78話
――翌日。
武巳のところに行くのは夕方頃だが、恵愛は昼すぎくらいから張り切って準備をしていた。
着ていく服は散々悩んだが、黒のライダースジャケットの下にオフショルの白いカットソーを着て、ボトムスはデニムのショートパンツを。
足元は肌が透けて見える薄さの黒タイツに、黒のショートブーツを履く。
フード付きや首周りが詰まった服は美容院へ行くには不向きなので、それを考慮しつつオシャレ見えする服装にしたつもりなのだが……
「変じゃない、よね?」
鏡の前で、何度も入念にチェック。
メイクは服装に合わせてクールで大人っぽい感じを目指して、でも濃くなりすぎないように。
バッグは武巳に預かってもらう時に大きいものだと恥ずかしいので、貴重品とハンカチくらいしか入らないミニバッグをチョイス。
恵愛の中では、小さなバッグ一つだけをちょこんと持つ女子は可愛いというイメージがあるから。
と、そこまで考えて、
(私、たけみんに髪を切ってもらうだけなのに……こんなにお洒落して、浮いちゃう?)
そんなことに気付いたが、
「やだ! もうこんな時間!」
今更着替えている余裕もないので、諦めて大慌てで家を出た。
しかし、元から出発予定の時刻を早めに設定していたこともあり、
(どうしよう……十分前って言われてたのに、一時間も早く着いちゃった)
店の前に到着してから、恵愛は頭を抱える。
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