第46話
「援交しなきゃいけないほど、金に困ってんのか?」
武巳の目は相変わらず真っ直ぐに恵愛を見つめ、恵愛は蛇に睨まれた蛙のように動けなくなる。
「今は困ってない……けど、専門学校に進学するための資金を……」
「専門学校? 奨学金は使えないのか?」
武巳は不思議そうに首を傾げながら、コーヒーのカップをテーブルに置き、
「え……あぁ! その手があるんだ!」
ベッドの縁に腰かけていた恵愛は、突然立ち上がって直立不動の姿勢を取り、
「うおっ!? びっくりしたぁ。いきなり大声出しながら立つなよ!」
トーストを食べようとしていた武巳が、ビクッと震えたせいでそれを取り落としそうになった。
「そっかぁ。働いてから返せばいいから、今無理してパパ活する必要ないんだ!」
しかし、恵愛は気にせずニコニコと笑いながら、武巳の向かい側の席にすとんと座る。
恵愛の笑顔を初めて見ることが出来た武巳は、
(なんだ……可愛らしい表情も出来んじゃん)
一瞬だけそう思ったが、
「……パパ活って、いかにも合法っぽく聞こえる言い方してるけど、高校生の売春は条例でも法律でも違反だからな!」
笑顔の恵愛の額に、ビシッとデコピンを食らわせた。
「いったぁー!」
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