第17話
家庭環境は最悪な恵愛ではあったが、憧れの右京と正式に付き合えたことにより、以前と比べると精神的な安定は保てていた。
……本命の彼氏が出来たところで、継父との関係やパパ活をする生活は特に変わらないが。
何人かいたセフレとは、右京と付き合い始めたその日に別れのメッセージだけを送って縁を切っていた。
継父とパパ活に関しては、恵愛にとってはアルバイト感覚だったのと、将来のための資金繰りでもあるので今もまだ続けている。
だが、そんな恵愛でも、やはり大好きな右京とは純粋に愛し合いたいという願望はあって。
デートの後、継父が絶対に来ないと分かっている日は右京を自宅に招いたりもしたのだが……
どうしてだか右京は、恵愛に対してキスどころか、手を繋いだりという軽い触れ合いすらしてこない。
ただ恵愛と並んで座り、彼女の話をうんうんと聞くだけ。
デートで出かける場所を決める時も、食事をする店を決めるのも、全て恵愛の希望を聞いてくれるが、右京の希望は今まで一度も聞いたことがない。
もう付き合って三ヶ月が経つというのに、流石にこのままでは寂しすぎると感じた恵愛は、ついに――
「ねぇ、右京くん。してもいいんだよ」
恵愛の方から、右京を誘った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます