第7話

男が皆、揃いも揃って恵愛に求めてくるのは“女”の部分。



そのことだけは明白。



自分にそんなにも女としての魅力があるというのなら……



憎い男どもからその代償として金を巻き上げて、もし本当に好意を抱いて近付いてくる男がいたとすれば――



その精神がズタボロになるまで散々もてあそんでから、ボロ雑巾のように捨ててやろう、と。



そして、傷付けた男の数が多ければ多いほど、自分をライバル視してくる母親に、女としての格が自分の方が上だと思い知らせることが出来るのではないか、と。



そうすれば、自分が今まで受けてきた心と体の痛みも、少しは癒えるのかもしれないと思えたから。



こうして、誰かから守ってもらえることもなく、自力で戦い抜く強さを見つけた恵愛は……



それが絶対に間違っていることだと自覚しながらも、悪女と呼ばれる道を突き進むことを決意したのだった――

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