第6話
恵愛の顔から日を追うごとに笑顔が消えていくことを不審に思った母は、ある夜、意を決して娘の部屋に突撃し……
自分の夫が、愛娘に性的虐待をくわえていることを初めて知ることとなった。
その時の母は、娘を守るために必死に動いてくれて。
離婚し、娘に一切近付かないことを約束させ、父親の目の届かない遠くの地まで引っ越してきた。
そこまではまだ良かったのだが、元々男に依存しやすい体質だったらしい母は、父と別れてから常に彼氏がいないと駄目な状態へと陥っていき――
そして母と付き合う男はほぼ全員、彼女の目を盗んでは、娘の恵愛に夜な夜な手を出すのが当たり前になっていた。
最初の何人かは、娘を守るためにすぐにその彼氏とは別れてくれた母だったのだが、それが毎回となると、
「もしかして……アンタが私の男を誘惑して寝取ってる?」
恵愛を見る母の目が、疑いと憎悪でいっぱいになるように。
――もう、母も味方ではなくなった。
そう直感した恵愛は、母の彼氏に犯されようとも、それを母にチクることも、誰かに相談することも全くしなくなった。
それは、高校生になった今も変わらず。
だからこそ、恵愛は不思議で仕方ないのだ。
――自分の存在する価値とは、一体何なのか?
と。
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