第4話
放課後、特に部活動への所属もしていない恵愛は、だからといって真っ直ぐに帰宅するわけでもなく――
「エリナちゃん、今日もよろしくね」
きっちりとスーツを着こなした父親くらいの世代の男性と駅で待ち合わせをし、そのままホテルへと向かう。
エリナというのは、もちろん恵愛の偽名。
お小遣いをくれるのなら、恵愛としては別にどちらでも構わないのだけれど。
過去に付き合った彼氏にパパ活をしていることがバレた時、
「もっと自分のこと大事にしろよ! 親だって悲しむだろ!」
と説教じみたことを言われたりもしたが、
(……その親に毎晩犯されてた私は、果たして大事にされてたなんて言えるのかな)
今は離婚していなくなった父親に散々な目に合わされた恵愛には、その言葉が響くはずもなく。
自分の価値は一体いくらなのか、それを確認するかのように毎日のように色々なパパとの相瀬を重ねていた。
パパたちとの予定が合わない日は、適当に選んだ男友達と、恋人ごっこのような遊びをする――つまりは、ただのセフレなのだけれど。
出来る限り家にはいたくなかったのと、この言い知れぬ寂しさみたいなものを、男で埋める以外の方法を恵愛は知らなかったから。
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