第81話
美紅と一緒に果てた右京は、全身が気だるいのも構わずに、彼女に腕枕をしてやりながら、宝物に触れるようにして抱き寄せる。
「美紅……どうだった?」
「……」
「みーく?」
「……」
だが、恥ずかしさでいっぱいの美紅は何も答えられず、彼に対して背中を向けようとして――
「美紅がイイと思ってくれるまで、頑張るしかないか」
――ピリッ……
すぐ傍で、新しい避妊具の個包装を開封する音が聞こえた。
「えっ……」
青ざめて振り返る美紅に、
「“嘘の記録”更新、だな?」
右京は美しすぎる悪魔のような笑みを向ける。
「……さっきも思ったんだけど……“賢者タイム”っていうものは実在しないの?」
美紅にとって、こういうことは単なる噂程度でしか知らず、それを確かめようにも右京しか知らないので、比較のしようもなく。
「さぁなぁ。何回かしてたら、そのうちに来るんじゃないか?」
そう言って、無駄にタフで艶っぽすぎる美紅専属の悪魔は、妖艶に微笑む。
「何回か、って……」
「美紅が可愛すぎるから、もしかするとそんなのはないかもしれないけどな?」
「えっ。ちょっと待って! ……んんっ!」
こうして美紅と右京は、無事に“嘘の記録”を塗り替えることに成功したのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます