第13話

「……スケベの自覚、あったんだ」



瞬時に真っ赤に染まる美紅の顔を見た右京は満足そうに微笑んで、彼女を更に強く抱き寄せる。



「美紅限定だけどな」



二人でコソコソと話し合う様子をすぐ目の前で見せつけられた相原は、



「だからっ……俺の目の前でみくたんとイチャイチャするなよぉ!」



両目から涙が激しく滂沱ぼうだした。



そんな三人の様子を、少し離れたところから見守っていた天野は、



(何だ……間宮と右京先輩、仲いいんじゃん)



一人号泣している相原のことは全く気にせず、いつも通り平和なのだということに気が付いて、ホッと胸を撫で下ろした。



美紅の機嫌が悪いと、“宿題写させて”と頼みにくいから。



そんなこんなで、今日も賑やかながらもいつも通りの平和な一日が始まるのだった。

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