第2話
1話:半透明人間
あれは何時から感じるようになったんだろう。
ある日、生きる事に嫌気が差して、苦しくなった。
自分が必要なのか、分からなくなった。
私は七人グループの友達がいた。
皆明るくて、キラキラしていた。
偽る私とは、違う人。
初めて話して仲良くなったけど、今思えば少し無理してた。
明るく笑って。
あるところでバカ笑いして、ふざけて。
無駄話して。
自分の性格プラスわん、してつるんでた。
それは疲れたけど、楽しかった。
今までとは違う、新たな楽しみだったから。
チク
痛み、一つ。
部活を決める時。
友達と言った"一緒のところに入ろうね"。
そのつもりだった。
嫌じゃなかったし。嬉しかったから。
けど、少しすれ違ってしまった。
私が入りたいのと、彼女達と入りたいところはズレた。
"どうするの?"
友達は聞いた。
優柔不断な私は迷いに迷って返答が遅れた。
何を優先して、何を考えたら良いか分からなくなって、結局出た答えは自分の入りたいところ。
友達は何も言わなかった。
そこまではよかった。
この瞬間から、上手く話せなくなった。
自然と口数が減っていき、気まづくなった。
チクチク
痛み、二つ。
私が悪い。
意気地無しだから、話すことも上手くできなくて、突き放されるのが怖かった。
行きも一緒に行っていたけど、最初はポツポツ。
頑張って話した。
無理に笑顔作って。
間があかないようにどうでもいい話して。
けど、それが疲れた。
私が悪いのはわかってる。
自分で選んで、話せないから人のせいにして。
可哀想な身で考える。
疲れちゃった、そう言うの。
結局、話せなくなって一人。
登校の時、自分がいるかいないか分からないの。
一緒にいるはずなのに、誰とも話せないで同じクラスに入る。
苦しい、ただその一言。
何がダメだったんだろ。
部活を一緒のところに入らなかったこと?
性格がそこまで明るくなかったこと?
みんなについていけなかったこと?
私が意気地無しだから疎遠になったこと?
思うところがいっぱいあってぐるぐるする。
誰か、教えてよ。
チクチクチク
痛み、三つ。
何が悪かったの?
何が、いけなかったの?
ただ、ひたすら考えて、気づいたら屋上にいた。
柵は超えなかったけど。
風が吹いていて、心地よかった。
私には死ぬ勇気はなかった。
そこまで、と思う人もいると思うけど。
今日も教室の片隅で、私は半透明人間になる。
半透明人間 抹茶 餡子 @481762nomA
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます