第25話

その姿を見や否や、今度は男たちの舞台中央で、剣舞を披露していた男子生徒が、一歩前に足を踏み出し、一人舞う女生徒を睨み付けながら剣を振り回す。

王宮警備室長の息子 田沢信悟たざわしんごである。

二人の姿に士竜と飛竜は呆れた。


「…猛々しいですね…まるでタイマンを見ているようです。」

「親も親なら、子も子だな」


演舞は滞りなく終了し、お茶会へと切り替わった。


お茶会の会場でも、舞台と同様に女生徒と男子生徒のテーブルは端と端に分かれており、その間に来賓と父兄のテーブルが置かれている。

歌舞の衣装から、白い制服に着替えた女生徒達が、会場の入り口に集まっていた。

席まで案内してくれる初等科の生徒を待っているのだ。

陸王は、女生徒達の姿を見つけると歩み寄っていった。

陸王の姿に、女生徒達は整列をしてお辞儀をする。

「ご挨拶申し上げます。陸王様。」

「浅舞女学院の皆さん、成人おめでとう。美しい歌舞でしたよ。」

爽やかな微笑みの陸王に、顔を赤らめる女生徒達。

「ありがとうございます。」

「陸王様!」

陸王の後ろで、仕官学校の生徒達が、剣舞の衣装のまま整列していた。

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