第16話

それはとある上官の執務室で起こった。


「お前達はこの2年間なにをしていたんだ!」

「はっ。」

直立不動でお叱りを受ける士竜。

「飛竜はどうした。お前を呼びにいかせただけなのに、何故ここにお前しかいないんだ!」


逃げたな飛竜。


士竜は数分前の飛竜とのやり取りを思い返す。

「士竜。黒丸大臣補佐官様がお呼びですよ。」

「俺だけか?」

「ええ。」



「そもそも何でお前たち2人を陸王の護衛に付けたと思っているんだ!!陸王を速やかに結婚させる為だぞ!」

「はっ。」

「それがこの2年間、一度も見合いをせずに、浮いた話一つないとはどういう事だ!!」

バン!と机をたたき立ち上がる国防大臣補佐官。

「申し訳ありません。父上。」

「職場では父上と呼ぶな。」

くるりと後ろを向く。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る