第4話

浅舞女学院の中庭へと続く道を仕官学校の若者達が歩いていく。

その出で立ちは、立襟のシャツに白いズボン。黒のミドルブーツ。その上に深緑色の膝まであるベストを着用している。

ベストの左胸には銀糸で龍の刺繍が施され、腰に巻かれた銀色のベルトには剣舞で使用する飾刀を差している。


「やっと来たかこの日が!俺様の晴れ姿を妹達に見せてやらないとな!」

一人息巻いている男 北見樹きたみたつき

「今日は顔合わせだぞ。」

興味なさそうに突っ込みを入れる劉奈陸王りゅうなりおう

「いいんだよ本番も同じようなもんだろうが。」

「樹。あなたに妹なんていましたっけ?」

陸王の護衛1 立石飛竜たていしひりゅう

「あ~妹じゃなくて妹分ね。風学舎ふうがくしゃで一緒に育った妹分が二人、ここに入学したんだよ。」

「風学舎…確か真正博士しんしょうはくしが職業婦人達の働く場所として用意した、あの風学舎か?」

陸王の護衛2 黒丸士竜くろまるしりゅう

「ああ、それそれ。俺の母ちゃんもそこで働いててさ、俺も小さい頃から一緒に通ってたんだよ。

そこで働いてる女達みんなで、仕事しながら子供の面倒もみてるんだけど、その時に一緒に遊んだ奴等なんだ。」

「確か、真正様のご息女も入学されたはず。」

「真正博士のご息女が?」

「フフッ。陸王は真正様を師事してるからな。」

「ああ、いるぜはなだ。」

「花。」

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