第二章

第3話

桜華は、紅潮した顔を押さえながら、足早に屋敷へ戻った。

「桜華様!お帰りなさいませ。本日の任務は、如何でしたか?」

侍女が桜華を待っていた。


「今日は…失敗に終わったわ…。」

桜華は複雑そうな表情を浮かべ、頭を抱えていた。

侍女は、驚きを隠せなかった。

何故なら、桜華はこれまで確実に悪魔の力を封じてきていたからだ。

「まぁ!桜華様が…!?余程、強い力の持ち主だったのですね。」


「…そうね…。」

桜華は、一瞬、間の開いた返事しか出来なかった。

「桜華様、入浴の準備が出来ております。ゆっくりお寛ぎ下さいませ。」


「ありがとう。」

桜華は、浴室へ向かった。


桜華は、湯に浸かりながら、心の中で自分会議をしていた。

『柊 桜華、一生の不覚…!!隙を突かれて悪魔を捕らえられないどころか、キ…キス…されるなんて…!!しかも、ファーストキスが悪魔って…!!次会ったら、絶対に捕まえてやるんだから…!!』


ーそして、次の日の夜に二人は再会することになる。ー

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