第2話

闇夜に人々の悲鳴と走る足音が響き渡った。


「きゃあぁぁッ!!悪魔が出た!!誰か助けてー!!」


そこに一人の巫女服を身に纏う少女が悪魔を追っていた。


少女の名は、柊 桜華ひいらぎ おうか

悪魔を捕らえ、その魔力を封じる家系に生まれた巫女。


「待ちなさい…!!そこの悪魔!」

凛とした立ち姿と鋭い瞳で悪魔の男を見る少女。



悪魔の男は、余裕のある笑みを浮かべ、色気を含んだテノールで「へぇ…、そんな札で俺を捕らえようと思っているのか?舐められたものだな。」


「何ですって?」

「隙があるんだよ…お前。」

そう言われた次の瞬間、桜華は悪魔の男に唇を奪われていた。


「ん…ッ…!…ッ、はぁ…なっ!何するのよ!?は、離して…!!」

桜華は、動揺していた。

これまで出会った悪魔でこんな男は居ないと。


「上位の巫女だって噂だが…中身は、純情乙女だな。面白い。…俺の名は、クロード。また会おう。柊 桜華…。」

クロードは、強い風が吹くと同時に消えた。


「…何なのよ…、アイツ…。調子狂う…。」

桜華は、両手で赤面する顔を押さえて、しゃがみこんだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る