(第2話)

第5話

森の中で出会った謎の美女はミカエルに「貴方は誰?」と話しかけた。突然尋ねられたミカエルは一瞬言葉を失う。「あの…、私の言葉分かりますか?」美女は再度声をかけた事でミカエルは我に返る。「あっ…、すまない。突然、森の美しい姫君が話しかけたから驚いてしまって…。」ミカエルがそう言うと美女は「うふふ。お上手ね。ありがとう。」と笑顔で答えた。笑顔の美女にミカエルの顔は赤くなる。だが、それを隠すように優しく美女に微笑んだ。

しばし笑顔で美女を見つめたミカエルは「えっと…。俺の名前はミカエルだ。」と軽く自己紹介した。すると美女は「『ミカエル』…。素敵な名前ね。」と言い「私の名前はレイラよ。よろしくね。」と自分の名前を名乗った。「君の名前も素敵だよ。レイラ。」ミカエルがそう褒めるとレイラはますます笑顔になるのだった。

「ミカエルは何処から来たの?この辺に住んでる人ではないのでしょう?」レイラはエメラルドの瞳で尋ねる。「そうなんだ。本当はもっと遠くに住んでるんだが、ちょっとサフィロス王国の城に用事があって…。」必死に答えるミカエルにレイラは「もしかして道に迷ったの?」と聞き返す。図星で答えれずに固まるミカエル。そんなミカエルの様子を見たレイラは「じゃあ、私が連れて行ってあげるわ。」と言い手を差し出した。「道が分かるのかい?」驚くミカエルにレイラは「私はこの森に住むお姫様だから。」と答えた。そしてミカエルの手を引くとゆっくりと歩き始めた。

「ところで…、どうしてサフィロス王国に行くの?あそこはお城とその周辺ぐらいしか面積がない小さな国よ。どう見ても観光者ではなさそうだし。」レイラはミカエルの手を引きながら尋ねる。彼女の不思議な魅力に「あぁ。実はサフィロス王国の王女と結婚する為に来たんだ。」と正直に答えてしまう。すると一瞬、レイラの足が止まった。「レイラ?」ミカエルが思わず声をかけると、レイサは再び歩き始める。そして、「あそこの王女はドリスって方よ。噂だけどすごく美人なんですって。…きっと貴方とお似合いの夫婦になるわね。」と笑顔で話す。「ありがとう。レイラ。」レイラの言葉にミカエルはお礼を言う。だが、何となくレイラ程、美人で魅力的な女性は居ないと思った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る