第2章

第2話

「…様…萌架もかお嬢様。」


幼少期の夢を見ていた所で、目が覚めた。


「ルーク…おはよう。」

萌架は、眠い目を擦りながら、ぽやっとした口調でルークに挨拶した。


「…ルークは朝に強いのね。」

出会った頃から、何でも完璧にこなす彼に羨ましいと言う感情を抱いていたが、彼からは意外な答えが返ってきた。


「萌架お嬢様は、わたくしにどの様なイメージを持っているのか存じませんが…わたくしも、朝は得意ではございませんよ。」


その言葉に萌架は、目を大きく見開いた。


「嘘!?だって、そんなそぶり見せたこと一度も…」


「それは、わたくしが萌架お嬢様の執事だから…ですよ。」


「…この西園寺家に仕える執事として、わたくし自身の弱みは見せない方が良いと思ったのです。」


ルークの言葉を聞いた萌架は、一つ思ったことがある。


ールークは私のことをよく分かっているけれど、私は彼のことをよく知らない…。ー


この時、私はまだ知らなかった。

彼が大きな秘密を抱えていることを。

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