第33話
―――次の日
例のごとく私は社食で敦美とランチ。今日はサバの味噌煮定食。流石食品会社なだけある、値段は安いけれどこれがかなりのクオリティで美味しいのだ。
「そだ、敦美、こないだ言ってた合コン何とかしてくれそうだよ?日付とか希望ある?」
「え!ウソ!」
”ウソ”って言い出したのアナタですよね。
「ホントにー!?まさかホントに掛け合ってくれるとは思ってなかった。私はいつでもOK!デートしてくれる男もいないから」と敦美は明るく笑ってウィンク。それは…自慢できることではないのでは??
「ねぇね、その例の大学教授の写真とかないの?」と聞かれ「んー」と言いながら私はスマホの中の画像を漁った。あんまり陸ちゃんと写真撮ったことないから探すのが結構大変だったけれど
「あ、あった」それは去年、陸ちゃんの誕生日に私が日本食の美味しいお店をご馳走した後、帰りの散歩がてら港道を歩いたとき夜景がきれいだったから記念に撮ったものだった。遠くには七色のネオンが輝く観覧車やオシャレな形をした高いビルが立ち並んでいる。
陸ちゃんは私がそのときあげたネイビー色のマフラーを早速つけてくれていて、私はベージュのポンチョコート。特別オシャレをした感じではないけれど、昨日のプロポーズを思い出したからか、私たちの空気がいつもと違って見えた。こうやって見ると恋人同士に見えないわけでもない……のかな…
「わー!いいじゃん!かっこいい、イケオジって感じで。てかあんたら何気にお似合いじゃん?」
お似合い…?
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