第6話


ここで一旦整理をしますと、(←誰に向かって言ってんねん<何故か関西弁>)



九条こと、本名九条 要くじょう かなめとは中学時代の同級生で腐れ縁。かれこれ十五年以上の付き合いになる。十五年、と言う歳月は長く感じられるけれど、その間に音信不通になったり、そしてどこからか連絡先を入手して電話を寄越して来たり、をだらだらと繰り返している。



職業は元ホストで、今は大手ホストクラブのオーナー様。



カネが好きで女にだらしなく、マイペースでどーしようもないヤツ。でも長年ホストでナンバー1張ってただけある。顔面偏差値はかなり高めでいかにも今風のイケメン、180㎝以上の身長は鍛えているだけあってスタイルも良い。今流行りの韓国人だか日本人だかどっち?って言うアイドル顔負けのルックス。



そして先ほどメールをしてきた陸ちゃんは、私が15歳のとき私の母がクラブ経営してたときのお客様。ママ(母親)と陸ちゃんは特別に仲が良さそうだったから、バツイチのママが二番目に結婚する人だと思ってたが、お互いそんな気はなかったらしく、ママと陸ちゃんは未だにフリー。陸ちゃんは今年で45になる世間一般的に見たら”おじさん”の部類に入るかもしれない。



背もそれ程高くなくて痩せ気味。九条とは違うちょっと所謂イケオジの部類に入るかもしれないけれどとにかく大人の余裕っての?優しいし頼れる。



職業は大学教授ってお堅い職業だし専攻は”生物学”だからたまに熱く語られても分からないこともるけれど、話についていけてない私を察すると『あ、ごめんね!ちょっとオタクっぽい話になっちゃったね』と慌てて言うのが可愛い。



高校のときから私たち母娘が住むマンションによく出入りをしていて、学校の宿題やレポートを見てくれたっけ。



世間様から見たらそんなよく得体の知れない男を女だけの家にいれるな、と思われるかもしれないけれど陸ちゃんは超がつくほどジェントルと言えば聞こえがいいけど、ようは奥手なだけ。手を出す、なんて大それた度胸もない。



当時30だった陸ちゃんは離婚したばかりで、ママがまるで捨て猫を拾ってきた勢いでたまに食事を作ってあげてたりして、そしてそれを当たり前かのように家族の一員としていつの間にか溶け込んでいた。



私が社会人になり一人暮らしをはじめると流石にそれはなくなったけれど、時々父親のように心配しに様子を見に来てくれる。



今もお店で忙しいママに代わって父親役を買って出てくれてるだけに違いない。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る