第4話
営業1課の青山くん…下の名前を何と言ったか忘れた。推定年収700万。180㎝近くある身長はスラリとスタイルがよく顔面は実年齢より少し幼く見える甘いマスク。仕事ができて気配りもできて、温和な性格。勿論独身。そんな男を周りの女子が放っておく筈がない。
つまり入社当初から年上のお姉さま先輩がたが目を光らせている、私にとっては先輩たちを差し置いてー!なんていびられないかビクビクしながら青山くんとはあまり接点を持たないようにしていた。
しかし、敦美の言うデートに誘われたと言うのは、
本当のことだ。
青山くんは私の二歳年下。同じ課にいるし仕事だって二人一組で組むことがあるから食事の誘いもきっと仕事の悩みやアドバイスを聞いて欲しかったのだろう。その時彼の成績が伸び悩んでいたせいもある。
これはデートじゃない、あくまで仕事上の延長線であって。
深く考えずOKをしたら、青山にある(流石苗字が青山だけある、チョイスもそこか?庭か?)の小洒落たイタリアンに連れていってもらい、そこで告白されたっけ。
『自分、年上の美人が好きなんです』
勿論、丁重にお断りしたけど。彼氏はいなかったけど、それでも付き合うって社内恋愛になるんだよ?
無理無理。
プライベートでも社内でも常に顔を合わせるなんて。キマヅイだろう。
それにしても”年上の美人”ねー、確かにあのときはそう言ったかもしれないけれど、今は宝田さんとにこにこしている。近いうちに青山に青山のイタリアンに連れていかれて『年下の可愛い子が好き』とか告白する気じゃ?
あー、良かった。あの言葉を真に受けなくて。
「ねぇ、どっちなの」
敦美が圧を(←またもダジャレ)を掛けてきて
「えーっと……」と言い淀んでいると
ピコン
私のスマホにメールの着信が届いた。天の助け!
九条かな?滅多にないけど催促のメールとか?
「あ、メールだ」とわざとらしく慌ててスマホを手に取りメールを開くと
久しぶりだね。元気してるかな。
今日時間が出来たから外で食事でもどうかな。
これまた九条と似たような内容のメール。
「陸(本名、陸太郎)ちゃん?(外で食事とか)珍しいなー」と独り言を思わず漏らすと
「何!!オトコ!?」
と敦美がわくわくとした目で私を見てきて、私は引きつった笑みしか返せなかった。
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