第5話
翌日は一日小テストに追われ、朋美は呪いどころじゃなかったようで、一日中頭をカリカリ掻きながら勉学に励んでいた。
あ、もう峠は越えたんだなと、私も目の前の学業に集中しつつも、朋美を気にしつつ、あっという間に一日を終える。
そして、その翌日、朋美は学校を休んだ。
「朋美いますか?」
朋美のお母さんは割と若くて、十代でデキ婚した計画性のなさを感じさせる佇まいをしていて、茶色で巻きに巻いた髪の毛をユサユサ鳴らしながら「ごめんねぇ今日休むって~」と、あの娘にしてこの親ありと言われても仕方ない位、頭の悪さは遺伝してしまうんだなとどうしようもない摂理に私は怒りを覚えながらも、「そうですか」と朋美家を後にする。
ひとりで登校するのも随分久しぶりだったけれど、新鮮さを感じられるような距離でもないし、僅か数分で学校に着いてしまい、担任に朋美の欠席する旨を伝え、代わり映えのない日を過ごした。
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