第67話

夕方。カヅコが夕食の準備をしていると、紙が窓から入ってきた。釜戸の火が燃え移っては大変だと思って掴んだら、声がした。チヒロの声だ。


 カヅコが驚いていると紙からまた紙が出てきた。チヒロの声の通りだ。突然の事でカヅコは呆然とした。


 不思議な紙。チヒロの声。呉暮村の近況を伝えろとの頼み。ヒロミの魔術。


「…ずいぶん素敵な魔術だね。ありがとう。もう会えないかと思ってた。呉暮村はそろそろ雪が降りそう。みんな元気だよ」

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