第66話
ヒロミの提案を知ったチヒロは喜んだ。ヒロミは紙を沢山買ってきて、術式を描いた。久しぶりだが手は忘れていない。
チヒロは紙に向かって、
「カヅコちゃん、久しぶり。母さんの術だから驚かないでね。夢京も寒くなったけれど、呉暮村の方が寒いと思う。最近の呉暮村について教えて。最後に紙が出てくるからそこに喋ってみて。それが返事になるから」
言い終えると紙に術式を描いた他の紙を置いた。すると紙が紙を吸い込んだ。式神はひとりでに畳んで宙に浮かんだ。チヒロが固唾を飲むと、あっという間に開けた窓に出ていって消えた。式神は汽車より速い。半日もせずにカズコに届くはずだ。
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