第68話
新しい式神はカヅコの声を吸い込むとまた素早く戻っていった。最初の式神には不可思議な幾何学模様が描かれている。カヅコは帯に挟んで夕食の支度を始めた。顔が緩んでいる。
今年は不作でも凶作でもない。暮らし向きはさほど良くない。けれども家族には恵まれているし、カヅコには不満はなかった。
この時からカヅコとチヒロの少し変わった文通が始まった。
式神は声や音だけでなく、映像も伝えたし、物の出し入れも出来た。郵便よりも遥かに便利だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます