第12話

第14話

カフェに入ると、紅茶やスイーツの甘い香りが鼻をくすぐる。


かけるくん、何食べる?」


メニューが沢山あり、悩んでいるとアフタヌーンティーセットの文字が視界に入った。


「折角だから、アフタヌーンティーセットにしようか。シェアできるし!」


「うん♡」


アイカは、「シェアできる」という、かけるの一言がとても嬉しかった。


数分後、色とりどりのサンドイッチやプチケーキが乗ったアフタヌーンティーセットが運ばれて来た。


「美味しそう!!」


二人は、目の前の食事に目を輝かせる。


「頂きます!」


「これ、美味しいね!」


二人仲良く食事をしていると、アイカがじっと僕を見つめた。


「アイカ?どうした?」


かけるは、食事の手を止めた。


「ふふっ!かけるくん、生クリーム付いてるよ♡」


かけるが「えっ?何処に?」と言いかけたその時、彼女の唇が翔の唇の端に触れ、クリームを舐め取られた。


アイカの大胆な行動で、かけるの顔が一瞬で紅潮していく。


「あ、ありがとう…。」


あまりにも唐突過ぎて、照れることしか出来なかった僕だけど、アイカから出てきた言葉は意外な物だった。


かけるくん、イメチェンしたら、自分に自信持ってくれるかなって思ったんだけど…そうしたら、格好良くなり過ぎて…今のうちにグイグイ行かなきゃ、他の子に取られるって不安になったの…。

私、かけるくんのこと大好きだから!!

だから、文化祭も二人で楽しんだりしてみたい!」


かけるは、アイカからの大きな告白に、口をあんぐりさせた。


今日一日で想定外なことばかり、やっぱり彼女アイカの行動は予測不能…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る